「取締役の任期」とは~決め方のポイント~


法 律 漫 画 「社長は一生!?」 の 巻


 

 

 

 

「取締役」とはなにか?

「取締役」とはなにか?


取締役とは、一言でいうと
「会社から頼まれて会社の経営をする人」をいいます。

従業員は、会社に「雇用」されているのに対し、
取締役は、会社と「委任契約」を受けて業務を行っているのです。

取締役が数名いる場合には、取締役の代表をするのが「代表取締役」
1人しかいない場合にはその人が「代表取締役」です。

代表取締役と社長の違いとは

一般的には「社長」といわれますが、「社長」という
呼び名は法律上のものではありません。
(※部長、係長、課長も同様に通称で法律上のものではありません)

取締役は会社法上、「役員」とされます。
会社法上の役員は「取締役」「会計参与」「監査役」と分かれております。(法329条1項)



「最近よく聞くCEOって格好良いよね。
 俺は「CEO」って呼ばれたいなあ!」



「CEO」とは


アメリカの企業で使われる組織上の呼び名をいいます。
Chief exective officer=「最高経営責任者」をいいます。

会社を統括し、最終的な責任を負う役職で事実上「代表取締役」
と重なることが多いですが、経営手腕に加えマーケティング方面
でも組織をひっぱる役割を求められます。

カリスマ性やリーダーシップが必要といわれております。


「CEO」とはあくまでもビジネスシーンにおける肩書であり
会社法上の役員名ではありません。

従って会社の登記には
株式会社であれば「代表取締役」
合同会社であれば「代表社員」と明記されます。

一方、ビジネスシーンやホームページなどでは
会社の内部組織、役割分担に併せて、
「取締役CEO」「代表取締役社長」など通称の役職名が
比較的自由に使われてます。


監査役(役員)とは


取締役などの活動が法律に違反していないかをチェックする役割です。
役員の不正な行動に対して裁判所に訴えることができたり
、株主総会で取締役などの不正行動などを報告する義務があります。

会計参与(役員)とは

税理士や公認会計士など会計の専門家が
取締役と共同して会計に関する書類(財務諸表など)の作成を
することです。取締役会に出席したり株主総会で意見をのべることができます。

原則、株式会社に監査役と会計参与を置くかどうかは任意です
(法326条2項)

 

「取締役」の任期は一生か?

「取締役」の任期は一生か?


取締役には「任期」というものが存在します。

通常は2年ですが、非公開会社の場合は
最大10年まであれば自由に設定することができます。

任期をどのくらいに設定するのが妥当なのでしょうか。

もし任期を1年にした場合


・役員変更の手続きが大変
・登記などの諸経費がかかる
・希望の経営方針を実現するにはあまりに期間が短い



といった点があります。

大企業では1年とする会社は多くありますが
中小企業ではあまりありません。

もし任期を2年から5年にした場合


・業績や経営体制を見直しできる
・役員が適度な緊張感をもち業務に集中、執行できる


 

 

などの点があります。

適度なスパンで経営を見直すことができるという
という理由から2年の任期を選択する会社が多いです。

もし任期を6年から10年にした場合


・コストや手間の削減ができる




というメリットはありますが、

長い期間、同じ経営者(陣)のため社会情勢に合わせた
機敏な経営戦略が実行できない可能性などがあります。

取締役を途中で変えたい場合には株主総会
解任をすることになりますが、場合によっては解任された
取締役から損害賠償(10年間の任期まで務めていた場合の
役員報酬など)の請求をされるリスクもあります。

任期を10年で設定する場合 

 

・取締役が自分だけしかいない
・家族経営なので役員変更の必要性が一切ない



 

といった場合には10年で設定する
こともあります。

しかし

・起業当時は1人しかいなかったけれど
 事業拡大をするために1人では足りなくなった
・家族経営でやっていただ様々な事情が変わった
・ある程度短い期間ごとで経営を見直したい



など、将来予想できる(もしくは予測不可能な)
事柄に備えてある程度の期間での任期の設定をしたほうが
変化には対応しやすいといえるでしょう。


役員変更の際には登記を忘れずに

役員変更の際には登記を忘れずに


役員(取締役等)の辞任や重任(再任)や退任など
変更が出た場合には速やかに変更登記が必要です。

登記申請期限は2週間でそれを超えて登記しない場合には
ペナルティー(過料(かりょう))が課せられることもあります。



役員と従業員の違い(表)

役員と従業員の違い(表)

 

  役員 (社長) 従業員
契約形態 委任契約
会社のために
経営(法律行為)を行う
労働契約        
使用者の業務上の命令に従わなければいけない
報酬 報酬
・株主総会で役員報酬を決め る。
・時間外手当の支払い義務は ない。
賃金
・労働の対価として受け取  る。
・就業規則に記載される。
・時間外手当を支払う義務  がある  
雇用保険 ・対象にはならない ・対象になる
社会保険(厚生年金・健康保険) ・加入義務有 ・加入義務有

※雇用保険・社会保険の加入条件は別途あり

 

 

 

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