「定款」とは~会社の憲法!?~


法 律 漫 画 「嗚呼!バラ色の定款」 の 巻


 

 

 

 

 

会社の憲法~定款とは?~

会社の憲法~定款とは?~


定款(ていかん)とは何か?
その問いに対して大体の専門家はこう答えます。

「会社の憲法です」

 

 

今回はこのわかったようでよくわからない言葉
さらにくわしくご説明します。

会社の憲法というからには

  • ①なくてはならないもの
  • ②法律効果があるもの
  • ③平和をまもるもの(!?)

なんじゃないの?とお思いのあなた

・・・・正解です!

会社を設立する上で「定款」は必ず作成しなければいけません。

そして定款には「会社運営の際のルール」が書かれてあります。
また予めトラブルになりそうなこと(例えば金銭トラブルなど)
を防止する目的もあります。

会社の従業員は「就業規則というルール」に基づき労働をしますが
会社自体は「定款というルール」に従って運営されることになるのです。

※もっとも定款は会社である以上は必ず作成義務が
あるのに対し、就業規則は労働者が10人未満の会社では
作成義務はないという違いはありますが・・・


そして「会社の憲法」の名のとおり定款には法的効果があります。

会社設立をする人(発起人)が作成した定款は、
「公証役場」という公的な機関で
「定款の内容が法的に合致をしているか」のチェックを受け
法律的な効力が発生するのです。
(公証役場でのチェックを「定款の認証をうける」といいます。)

「ちなみに合同会社・合資会社・合名会社
(俗にいう「持分会社・・・株式を発行しない会社」)は
 公証人の認証は不要です」


定款認証をうけ晴れて法的効力をもった定款

  • 「会社の責任者は誰なのか」
  • 「会社は何をしてお金を稼ぐのか」
  • 「会社の名前はなにか」
  • 「会社の資本はどのくらいあるのか」


などを取引先に示すことで安全な取引を可能にし

会社と会社の関係者(株主や取引先等)との間の
金銭トラブルを事前に・華麗に・防止し

平和な事業運営をみるみる成功させ

立派に会社の憲としての役目を全うするのであった・・・

 

めでたしめでたし。

 


「いや、めでたしじゃなく。
 で?定款には何を書くの?
 俺の会社だからやりたいように書いていいんだよね?」


「(締めくくるのには無理があったか) 
 是非とも説明させていただきます。」




定款に記載すべき事項

定款に記載すべき事項


定款という会社のルールは
・外部からみても分かりやすく
また
・公序良俗に反しない内容でなければいけません。
(事業の目的に「詐欺」とか「麻薬の輸入販売」など
 入れても認められません)

会社法で定款に記載するべき事項は決まっており
その内容は大きく以下の3つに分類されます。

  • 絶対的記載事項
  • 相対的記載事項
  • 任意的記載事項


①絶対的記載事項(ぜったいてききさいじこう)
定款に必ず記載しなければいけない事項

 

  • 目的
  • 商号
  • 本店所在地
  • 出資財産額
  • 発起人の氏名と住所



なお発行可能株式数も会社設立登記をするまでに定款への記載が必要です

②相対的記載事項(そうたいてききさいじこう)
定款に記載しなければいけない事項ではないが
記載しなければ効力が認められないもの

具体例

  • 取締役会や監査役などの設置
  • 株主名簿管理人
  • 取締役や監査役などの責任免除
  • ※財産引受
  • ※現物出資
  • ※設立費用
  • ※発起人の報酬・特別利益


など

については「変態設立事項」といい金銭トラブルが
起きやすいことに備えるために記載をします。

~「変態設立事項」の各種解説~

現物出資
不動産や車など、金銭以外の出資
財産引受
会社設立前に発起人が第三者から財産を譲り受ける契約をすること
会社設立後に会社が譲り受けの対価を支払う
発起人の報酬・特別利益
会社設立にあたっての発起人の労務への対価
設立費用
会社設立に必要な費用


なお、「変態設立事項」は後々トラブルにならないように
裁判所で選任された「検査役」の調査を受ける必要があります。


③任意的記載事項(にんいてききさいじこう)
定款に記載しなくてもよい事項
定款に記載しなくても効力があるもの


  • 定時株主総会の招集時期
  • 議長
  • 事業年度


など

定款の変更可否について

定款の変更可否について

株主総会の特別決議があれば
会社設立後でも定款の変更は可能です。


「事業目的」をきめる上での4つの注意点

「事業目的」をきめる上での4つの注意点


① 定款の「事業目的」に求められること
を守って決める

一般的にこれら4つの特性が求められます。

適法性・・・法律で禁止されていたり
      公序良俗に反する事業目的は不可
例:盗品の買い入れ及び販売などはNG
営利性・・・非営利は不可。営利を目的とする必要がある
例:ボランティアや政治献金はNG
明確性・・・一般人にも分かる程度の明確性が必要
新語・造語・流行語などは使用制限される可能性あり
具体性・・・その会社が何をするのかを一般人に
      理解してもらえる程度の具体性が必要
例:全人類を幸せにしる事業、
       愛情をおすそわけする行為 などはNG

 

 

②許認可取得が必要な事業は要チェック


業種によっては許認可の取得が必要となりますが、その際
定款の事業目的に適合した申請をする必要があります。

例えばリサイクルショップを運営する場合は古物商許可が必要ですが
許可を得るためには定款の目的に「古物営業法に基づく古物商」の
記載が必要です。

③将来的にやる可能性がある事業をいれる


事業拡大をする上で定款に目的が記載されていることが必須となります。
もし記載していない場合には定款変更が必要となりますが
登記申請の手数料がかかります。

会社設立時に今後の事業運営の展開やビジョンを
ふまえたうえで目的設定をするのが良いでしょう。

④事業目的の書きすぎに注意する


定款の事業目的の掲載数に制限はありません。

しかし最初から事業目的が多すぎると
「いったい何をしたい会社なのか」が不明確になり
会社としての信用が得られない可能性
融資を受けられない可能性があります。

もし
「将来的に事業の拡大はしたいけれどまだ目的がはっきりしていない」
という場合には

「前各号に付帯関連する一切の事業」と一言いれておけば
関連業務は広い範囲でカバーすることができます。


 

「関連性のない業務を無理やり記載して信用を
 失うよりは手間とお金はかかりますが、
 会社の規模に合わせた目的追加(定款変更)
 をするのが無難でしょう。」

 


 

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